昨年の息子の大学受験で感じた併願校の決め方や受験数について振り返ります。
国公立大学と違い、私立大学は受験する大学数に制限がありません。
そのため数多く受ける事も可能ですが、その分受験料もかかるため慎重に考えたいところです。
ここでは国公立大学を第一希望としているご家庭での私立大学受験の参考にしていただけるといいなと思っています。
(国公立大学の決め方も別ページで書いています。)
ご家庭の考えと本人の希望をしっかり話し合う
まず大切な事は、国公立大学に受からなかった場合に私立大学に行く事は可能なのか?浪人する事は可能なのか?という点をしっかり話し合っておくという事だと思います。
具体的には次のように考えが分かれると思います。
- どこの大学でも受かった大学に行く
- 国公立大学以外は行かない
- 一部の私立大学なら行く
どこの大学でも受かった大学に行く
どこの大学でも受かった大学に行く(浪人はしない)と思っている場合は、幅広く多めに受験するという考えが安心だと思います。
いわゆるチャレンジ校や、安全校など幅広く受験する意味があります。
国公立大学以外は行かない
国公立大学以外は行かないと思っている場合、併願校を受けないか、または本番の試験練習のためにいくつか受けるという考えがあると思います。
この場合、併願校には行かないと決めているのであれば、練習のためだけに多くの大学に出願する必要はないかと思いますので、1校〜2校で十分かもしれません。
受験日は丸一日、時間をとられてしまいますし、人混みに出る事はインフルエンザやコロナなどの感染症にかかるリスクもあります。
また、国公立大学に万が一合格できなかった場合に、浪人するのかどうかも重要なポイントです。
経済的な面で私立大学には行かないと思っているのであれば、浪人して1年間予備校に通い、来年チャレンジする事はかなりの経済的負担になります。
給付型の奨学金が利用できそうならば、奨学金が受けられそうな大学を受験する事も候補に挙げて考えるのもありかもしれません。
国公立大学は何校受験できるかについてはこちらをご覧ください。
一部の私立大学なら行く
国公立大学以外でも私立大学で行きたい大学があって、それ以外の大学なら行かない(浪人する)とはっきり思っている場合は、行きたいと思っている大学だけを受験するという事が堅実です。
無駄に全く行く気のない大学をたくさん受ける必要はありません。
ただし、安全校かどうかなどとは別で行きたい大学だけ受験しようと思っているなら、どこもダメだった場合に浪人する覚悟が必要です。
以下に細かく書いていきます。
私立大学を受けるかどうか
まずは私立大学を受けるか受けないか・・と考えている方もいるかもしれません。
当時、高校で言われていた事は本人の実力相当の大学や本人の実力で十分入れそうな大学を少し手厚く受験しておく事という事でした。
息子は塾に行った事はないので、学校の話だけを参考に考えていました。
数年前からですが、国の方針もあり私立大学の受験が少し厳しくなり合格者数の制限をしている事から、油断はできないという事です。
とは言っても、現時点ではまだ本人の実力もはっきり分からないし、そもそも第一希望の国公立大学だってどこになるか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
私立大学に行かせる覚悟を持つ
「国公立大学に行ってね」「浪人はしないでね」と高校2年生の冬くらいまでは言っていました。
なので息子も、私立大学には行かせてもらえない=私立大学は受験しない
と思っていたようで、高校3年に入ってから併願校の話をしても「私立大学は受けないでしょ」
と関係ない話だとあまり話を聞く耳を持っていませんでした。
もちろん、「国公立大学に行って欲しい」「浪人はしないで欲しい」というのは本音ですが、
本当に頑張って勉強しても国公立大学は無理だったとか、本当に行きたい大学は私立だとかいう場合は話は別で、こちらも頑張りますという思いでした。
しかし、上手く息子に伝えられていなかった事もあり、「どこでもいいから国公立大学に入れって事でしょ」と受け止められてしまっていた時期もありました。
高校3年生になってからは、「私立大学でも本当に行きたい大学なら構わない」とはっきりと息子に言いました。
理由は一つです。
本当に行きたい国公立大学にチャレンジして欲しかったから。
もし、絶対に私立大学はダメで、浪人もダメと言われたら、絶対に入れる国公立大学しか受験できないですよね・・
実際に私立大学に行くとなったら、費用もかなりかかりますし経済的には厳しいという思いでした。
でも・・
頑張っている息子を前に、こちらも覚悟は必要だと思っていました。
私立大学に行かなくても受験しておく
実際には、国公立大学しか行かないつもりでも練習として私立大学を受験するという考えもあります。
いきなり本番の試験のみでは、本人のプレッシャーも半端ないでしょう。
行くつもりのない受験では意味がないという考えもあるかもしれませんが、本番の試験を体験しておくつもりで受験された方もいたようです。
ただし、受験料もかかりますので、無駄な時間や費用をかけないという考え方もありますね。
給付型奨学金を調べておく
経済的な理由で私立大学は厳しいと考えている方は、ぜひ各大学のHPなどから奨学金の情報も調べてみてください。
返済型の奨学金は卒業後に本人の負担になりますが、給付型の奨学金を用意している大学も多くあります。
全額の給付はなかなかないかもしれませんが、一部でも給付されればかなり助かりますよね。
特に首都圏以外から首都圏の私立大学を目指す方への奨学金が充実している大学もありますので、早めに調べておくことをおすすめします。
奨学金は受験する前に申し込む場合もありますから、年内に調べておいた方がいいと思います。
もし、給付型の奨学金が受けられそうならお子さんの大学の選択肢も少し広がりますよね。
私自身、私立大学は経済的に厳しいから・・とずっと思っていました。
しかし、実際に出願する際に奨学金の情報を目にして驚きました。
給付型の奨学金がかなりありました。
息子は私立大学を3校受験しましたが、どの大学も大学ごとに独自の奨学金を用意していました。
返済型の奨学金=卒業後の本人の負債になると思い、奨学金自体をあまり考えたことがなかったのです。
もっと早くから調べておけば、私立大学はちょっと・・とは言わずに幅広く受験校を考えられたかもしれません。
併願校の決め方・何校受験する?
模試の結果を考慮する
12月に入ると、一部の私立大学では一般受験の出願がはじまります。
出願は1月に入ってからという大学でもWEBでの仮登録が年内に始まる大学もあります。
第一希望が国公立大学という方は、まだセンター試験が終わるまで出願する国公立大学は決まらない場合もあると思います。
我が家も最終的にはセンター試験の結果を見て、どこの国公立大学に出願するか決める予定でした。
しかし、私立大学の場合、受験方式が様々だという事に加え、センター試験よりも前に出願する大学もあるために早めに考えておく事が必要です。
(私立大学の受験方式についてはこちらの記事に書いていますので、よかったらご覧ください。)
そこで参考にしたいのは模擬試験の結果です。
夏までに受けた模試では、浪人生の方が圧倒的に有利です。
現役高校生の場合、まだ受験範囲の授業が終わっていないという高校もあるかもしれません。
しかし、秋以降になると浪人生との実力の差が縮まり、本番の受験の目安になる結果が出てくる頃です。
特にセンター試験だけで合否が決まる受験方式の場合、マークシートの模試結果がかなり目安になります。
試験スケジュールを考慮する
私立大学はたくさんありますから、幅広く受けるとなると受験する大学の数も多くなるかもしれません。
しかし、多くの大学の場合、国公立大学の個別試験(2次試験)より前に受験日がありますから、数多く受けるとなるとスケジュール的にきつくなります。
押さえとして受けるだけと思っている併願校でも、その大学独自の試験対策は必要ですし、仮に対策をしないとしても、試験当日は1日中しばられる事になります。
様々な負担を出来るだけ減らすためにも、次のことを考慮してみるのもいいかと思います。
- 第一志望の国公立大学と同じ受験科目の大学を受験する
- センター試験のみで合否が決まる大学を受験する
- 試験日程を詰めすぎないようにする
1つ目は併願校のみの受験科目に時間を使うのは勿体ないという理由です。
できれば2次試験の前は国公立大学の勉強に集中したいものです。
2つ目は併願校の試験対策の必要がなく、出願してセンター試験さえ受けておけば合否が決まりますから本人の負担が少なくおすすめです。
ただし、多くの場合はセンター試験前に出願して早い時期に入学手続き(入学金相当額の支払い)となります。
3つ目の試験日程については、何日間も連続で受験するのは体力的にも負担になります。
受験の時期は寒くてインフルエンザや風邪なども流行っている時期ですから、多くの人が集まる受験会場はそいうったリスクもあります。
行く可能性のある大学を受験する
どこの大学も受からなかったらどうしようと思っていました。
心配だからたくさん受けておくという方もいました。
しかし、行ってみたいなとか、せめて行ってもいいなと思う大学でなければ、受ける意味はあまりないかなと思っていました。
息子も同じで、行きたいと思わない大学を受ける気はないとはっきりと言っていました。
その結果受けた私立大学は3校でしたが、どの大学も受かったら行きたいと思える大学でした。
難易度の違う大学を幅広く受けるというのが安全な受け方かもしれませんが、他の大学がどこも受からなかった時にその大学に行く気があるかどうかも併願校を決める上で大切だと思います。
受験料を考える
先ほども書きましたが、私立大学は様々な受験方式があるため、同じ大学の同じ学部・学科を何度も受ける事が可能な大学もあります。
その大学が第一志望ならばチャンスが何度もある事は心強いですが、あくまで押さえとして考えている場合は何回受けるか悩むところです。
何回も受験できるという事は、受験料もその分かかるという事です。
同じ大学内で併願する事で受験料の割引きがある場合もありますが、例えば1受験で35,000円だとして、チャンスが4回あるからと言って4回受けたら100,000円は簡単に超えてしまいます。
1つの大学だけならその金額で収まりますが、何校も受けるとなると受験料度外視で考えてしまうと大きな出費になります。
中には500,000円近くかかったという方もいます。
本当にお金がかかるのは入学後ですから、いくらまで出せるか慎重に考えましょう。
合格を押さえておくために入学金相当額が必要
多くの大学を受験する場合に考えるべき費用は受験料だけではありません。
というか、むしろ受験料ではなく、合格した場合に支払う入学金相当額です。
期日までに手続きを行わないと、せっかく合格しても押さえておく事は出来ません。
この入学手続き期間は大学により異なりますが、多くの場合、国公立大学の合格発表を待ってはくれません。
仮に併願校を5校受けて全て合格した場合、同じ手続き期間であれば、5校の中の第一希望の大学のみに手続きすればいいのですが、そうはなかなか上手くいきません。
最低1つの大学には払う準備は必要としても、2校、3校となるとかなり負担になります。
いくらまで払えるかによって、合格しても押さえられる大学の数も決まりますから、入学手続き期間のスケジュールを確認した上で受験する大学を決めましょう。
ちなみに同じ大学の違う学部、または同じ大学の同じ学部に違う受験方式で合格した場合に、同じ大学だからといって1度払った受験料を違う学部へ移行、または違う受験方式に移行できないという事もありますので、受験要項をしっかり確認してくださいね。
親が把握しておく受験までの流れもよかったらご覧ください。