「国公立大学は何校受験できるのか?」について書いていきます。

国公立大学の入試
私立大学の入試では受験する数に制限はありません。
それに対して、国公立大学の場合は、試験日がどこの大学も同じために受験できる数が決まってしまいます。
一般入試以外にも、推薦入試やAO入試など様々な入試方式がありますが、ここでは、一般入試についてのみ書いています。
国公立大学は何校まで受けられる?
まずはじめに、一般入試で国公立大学を目指す場合は、試験日は前期試験と後期試験の2回あります。
大学によっては中期試験がある大学もありますが、ほとんどの大学は前期試験のみの1回、または前期試験と後期試験の2回です。
この前期試験・後期試験はどこの大学でも日にちが同じになっています。
つまり、前期試験を受けられる国公立大学は1校のみとなります。
同じように後期試験を受けられる国公立大学も1校のみです。
前期試験と後期試験は、同じ大学に出願する事も出来ますし、違う大学に出願する事もできます。
中期試験も受ける場合は3校受験することが可能です。
国公立大学の出願期間についてはこちらをご覧ください。
ただし、前期試験と後期試験では難易度が違いますので、注意が必要です。
この後、詳しく書きます。
国公立大学出願の具体例
具体例をあげて分かりやすく説明します。
(2019年度入試について書いています。受験する年度によって例にあるようなパターンで受験できないかもしれません。最新の情報は各大学のHPでお確かめください)
例1)前期:東京大学(理科1類)・後期:筑波大学(情報学群)
東京大学は前期試験のみしか実施していませんので、東京大学を受けられるのは1回のみです。
後期試験に別の大学を受ける事ができます。
前期試験しか実施していない大学を受ける場合に、後期試験を別の大学に出願できるという事ではなく、前期試験も後期試験も試験を実施している大学であれば自由に組み合わせて受験できます。
*ただし、大学によっては足きりがある場合があります。詳しくはこの後書きます。
例2)前期:筑波大学(情報学群)・後期:筑波大学(情報学群)
前期試験と後期試験ともに同じ大学の同じ学部に出願する事ができます。チャンスは2回あります。
例3)前期:千葉大学(工学部)・後期:千葉大学(理学部)
前期試験と後期試験で同じ大学ですが、違う学部を受ける事も可能です。
中期試験を受ける場合は、最大で3校受ける事が可能です。
*最新の受験情報は各大学のHPで確認してください。
国公立大学の出願の注意点(足きり)
出願する大学によっては(学部によっては)、試験を受ける人数の倍率をあらかじめ決めている場合があります。
例えば、東京大学の各文科では、予定倍率を3倍と定めています。(理系でもそれぞれ予定倍率を定めています)
この場合、3倍以上の出願があった場合は、センター試験の結果で第1段階選抜が行われます。
また、筑波大学では、倍率が定められている学類と定められていない学類があります。(2020年度入試)
これが足きりです。
足きりで第1段階選抜を通らなかった場合は、せっかく出願しても個別試験を受けることができません。
正確には、個別試験を受ける前に合否が決まってしまうという言い方の方が正しいかもしれません。
足きりで受けられなかった場合でも、その時点で改めて他の大学に出願することはできません。(出願期間は終わっていますし、出願できる数は決まっていますので)
この前期試験・後期試験を受ける前にセンター試験を受ける必要があります。
センター試験は2020年度入試で最後になりました。
2021年度から大学入学共通テストになります。
大学入試共通テストについて詳しくは、大学入試センターの公式ホームページをご覧ください。
前期試験と後期試験では難易度が違う
国公立大学の受験は3校受ける事も可能です。
ただし、中期試験を実施している大学は少ないため、2校まで受験できると考える人が多いと思います。
ここでは2校受けると考えて、前期試験と後期試験の違いを考えます。
①募集人数が違う
ほとんどの大学では前期試験の方の募集人数を多くしています。
仮に同じ人数の出願があった場合、後期の方が倍率が高くなります。
後期試験の倍率について
国公立大学の出願がはじまると、多くの大学で途中倍率を発表します。
倍率は各大学のHPのほか、大手予備校のHPでも発表しています。
後期試験の倍率は前期試験に比べて非常に高く、びっくりされる方もいるかもしれません。
先ほども書きましたが、後期試験の倍率は前期試験に比べて高くなることは確かです。
しかし、前期試験で合格した人は後期試験を受けないために、実際の倍率は、出願期間が終わった時に発表されている倍率よりは低くなります。
②受験する人のレベルが違う
多くの受験生は後期試験の出願に関して、前期試験で受験した大学よりもレベルを下げて出願します。
後期試験は募集人数が少なく倍率が高くなっている上に、受験者のレベルがあがっていますから、
前期試験よりも難易度が高くなります。
③個別試験の受験科目が違う場合もある
前期試験と後期試験では個別試験の受験科目が異なる事もあります。
例えば、同じ大学の同じ学部でも、前期試験は数学と英語が出題され、後期試験は小論文のみという場合がありました。
また、後期試験の出願大学を選ぶ際に、同じレベルの大学でどちらを選ぶか迷った時、受験科目を確認して得意な科目で受験できる方に決めるという事も出来ます。
過去問題集も前期用と後期用で分かれて販売されている大学が多いです。
過去問題の内容を確認してから出願することをオススメします。
第一志望は前期試験で受ける
前期試験で合格したら、すぐに入学手続きを行うことになります。
この手続き期間は、後期試験より前に行われます。
そして、入学手続きを行うと後期試験で合格する事は出来ません。
つまり、前期試験での合格をおさえとして、後期試験を受ける事は出来ない訳です。
受験する国公立大学を幅広く検討するために(体験談)
国公立大学を目指す場合、国公立大学が必ずしも自宅から近いところにあるとは限らないと思います。
大学のレベルも様々で受験する数にも限りがある訳ですから、確実な大学受験を希望する場合は自宅通学にこだわらず、幅広く検討したいところです。
とは言っても、1人暮らしとなると仕送りが必要となり、仕送り額によっては私立大学に通わせる並みの資金が必要になります。
我が家でも、息子の学力に合う国公立大学となると、少し自宅から離れてしまい現在は学生寮に入っています。
しかし、先のことを考えると、いつまで仕送りできるか分からないという思いもあり、受験前から家族ごと引っ越すことを検討していました。
住んでいたマンションを売却して新たに買い替えをする事で、大学から通いやすい場所へと引っ越したのです。
親バカかもしれませんが、引っ越ししても構わないと思っている事を伝えた事で息子も安心して今の大学を受験できたようです。
また、買い替えによって住宅ローンが減らせた事から、家計的にも楽になりました。
同じように考えている方がいらしたら、ご参考までに私たちが体験したマンション売却についてもご覧いただければと思います。
国公立大学の決め方についてはこちら書いています。↓

併願校・私立大学を何校受けるかについてはこちらに書いています。↓

親が把握しておく受験までの流れもよかったらご覧ください。
国公立大学の願書は早めに取り寄せましょう。
*2020年度の入試から国公立大学でもWEB出願が増えています。
WEB出願の場合は願書を請求する必要はありません。
