2019年、住んでいたマンションを売却しました。
その時の体験談を実際の不動産会社選びから税金についてまで、売却の流れに沿って書いていきます。
不動産会社にすべて任せればいいと思わずに、ご自身でもしっかり流れを理解して、その時々に起こる事をあらかじめ知っておく事で、出来るだけストレスなく売却が成功しますように、少しでも参考にしていただければと思っています。

売却のタイミング
子供の進学に合わせる
私たちは、子供の大学進学に合わせてマンションの売却をして買い替えをしました。
子供が生まれてから何度か引越しはしていますが、やはり子供の学校のことを一番に考えていましたので、幼稚園に通うタイミングで引越ししたり、転校しないで通える範囲で引越ししたりしていました。
今回は、大学生になるタイミングでの引越しです。
不動産会社に査定依頼を始めたのは、大学の合格発表前でした。
希望通りの進路に進めなかったら、買い替え先は変わる事になりますが、まずはどれくらいで売れるのか査定を出してもらい、売却時期も検討したいと思っていました。
所得税が低くなるタイミング
売却による利益が出た場合は、所得税の支払いが必要になります。
所得税率は、物件の所有が5年を超えた方が低くなります。
利益が出なければ関係ありませんが、利益額によっては所得税の支払いも大きくなります。
同様に住民税の支払いにも影響してきます。
売却・買い替えによるメリット
子供の自宅通学が可能に
今現在、息子は大学の寮に入っていますが、3年生以降は自宅通学または一人暮らしになります。
買い替えを考えはじめた時は大学の合格発表前でしたが、希望通りの大学に決まった場合、
今まで住んでいたマンションからも通えない距離ではないのですが、時間も交通費もかなりかかります。
大学の近くへ家族で引越しすることで、3年生以降に自宅から通学する場合の交通費が安くなります。
また、寮に入っている2年間は仕送りをしますが、この先何があるか分かりませんから、仕送りが厳しくなったら、寮を出て自宅から通学してもらう事も考えられます。
先のことを考えると、大学の近くに引越した方が安心だと思いました。
ただし、主人の通勤は大変になりました(汗)
住宅ローンを減らせる
今まで住んでいたマンションの住宅ローンが残っていましたが、売却により完済しました。
そして、残った差額を利用して買い替えをしました。
今回購入したマンションは、以前のマンションより安い場所を探しましたので、住宅ローンがかなり楽になりました。
また、組んでいた住宅ローンは10年が経ち、住宅ローン減税期間(住宅借入金等特別控除の特例)が終わってしまいましたが、新たな住宅ローンを組む事で、ここからまた10年間の所得税の還付も期待できます。
*住宅借入金等特別控除の特例を利用するには確定申告が必要です。また、不動産売却による所得税の他の特例を利用する事を考えている方は、併用できない場合もありますので注意が必要です。
売却以外で毎月の住宅ローンの返済額を減額する方法については別ページに書いています。
マンション売却の流れ
まずは、今住んでいるマンションがいくらで売れるのか?
それによって引っ越しの時期なども含めて検討したいと思っていました。
マンション売却については、不動産会社選びから引き渡しまで、おおよそ半年間かかりました。
流れに沿って体験談も別ページに書いていきます。
①不動産会社を選ぶ
仲介によりマンションの売却をするためには、不動産会社と媒介契約をする必要があります。
仲介では個人から個人への売却になりますので、不動産会社に間に入ってもらうためです。
また、仲介ではなく、不動産の直接買取業者へ売却するという方法もあります。
他にも、住んでいるマンションを売却するという事は、その後どこに住むのかという問題も出てきます。
買い替え先としてすでに購入したい物件がある場合は、販売先の不動産会社にも相談するという方法もあります。
これは、私たちが実際に購入を検討中の時に不動産会社の方から言われた事で、その時になるほど・・と思いました。
すでに媒介契約した後だった事もあり遅かったのですが、販売だけではなく仲介も取り扱っている不動産会社もありますから、両方を同じ会社にお願いするという方法もあるんだと学びました。
ただし、いずれにしてもお願いする前にご自身でしっかりどれくらいで売れるのか相場を把握しておく事が重要です。
私たちは売却と購入を完全に分けて、仲介での売却を選びましたが、”どこの不動産会社と契約するか”が今後の流れをスムーズにするための決め手になります。
また、不動産会社の担当者とは常に連絡を取り合う事になりますから、信頼できる担当者にお願いする事が一番です。
↪︎さらに詳しくは、(マンション売却体験談)不動産会社を選ぶポイントとは?
引き渡しの時期については相談できます。
今すぐの引越しは無理でも、例えば○○月引き渡し希望などという感じで売りに出せます。
逆にすぐに売りたいと思っても簡単に売れるとは限りませんから、早めに検討してみた方が良いかと思います。
同じように買う人も、すぐではなく○○月に引っ越したいなどそれぞれ事情がありますから、まずは不動産会社と相談してみましょう。
査定依頼をする
不動産会社を選ぶ上でも、いくらで売れるのかを知るためにも査定を依頼します。
査定はできるだけ多くの不動産会社に依頼しましょう。
多くのと言っても、そんなに不動産会社が浮かばないという方は、一括査定をしてくれるサイトを利用するという方法もあります。
査定額を高く出してくれる不動産会社がいいとは限りません。
査定はあくまで査定ですから、実際にその査定額で売れるかどうかは別の話です。
しかし、多くの不動産会社に査定を依頼する事で、相場を把握する事ができます。
私たちは2社にしか査定依頼しませんでしたが、もっと多くの不動産会社に依頼すればよかったと思っています。
今すぐ売るかは決まっていなくても、いくらで売れるのか目安が知りたいという理由で査定依頼する事もできます。
査定額が分からないと、今すぐ売った方がいいのか、もう少しこのまま住んでいた方がいいのかなど決められない事も多くあると思います。
私たちも、まずはいくらで売れるのか?が知りたくて査定をお願いしました。
不動産会社と契約する
仲介での売却を希望する場合は、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要があります。
理想は、多くの不動産会社の方と話をして、希望に沿った売却を進められると思った会社また信頼できる担当者と契約する事です。
契約期間については、私たちの場合3ヶ月で自動更新はなしでした。
ただし、延長は出来るという事で1ヶ月だけ延長などという事も可能でした。
契約期間内に売却できなかったら、その後ほかの不動産会社と契約する事ができます。
不動産会社選びに失敗したなと思ったら、遠慮なく変えましょう。
私たちの場合は、結果的には3ヶ月以内に買手が決まりましたが、当初なかなか思うように進まなかった事もあり、2ヶ月過ぎた頃には契約更新はしないとはっきり伝えていました。
はっきり伝えたことにより、担当者の気持ちに変化が出たようで、その後はかなり売却に向け頑張ってくれたようです。
②販売活動
依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結び販売活動開始です。
販売活動は不動産会社がしてくれますので、私たちがする事は内覧を受け入れるくらいです。
しかし、販売をはじめるまで考えてもいなかったストレスが結構ありました。
どれくらいの期間で売れるものなのか分かりませんでしたから、気持ち的に焦りが出てしまった時もありました。
あらかじめ、どんなストレスがかかるのか知っていたら少しは気持ちが楽だったかもしれません。
内覧について
マンションを売却するためには、部屋を公開しなくてはなりません。
居住しながらマンション売却を考えている場合は、住んでいる状態をそのまま見てもらう事になります。
見に来る方のスケジュールにすべて合わせてしまったので、自分たちの予定を立てられずに不自由な思いも少ししました。
内覧の受け入れは、こちらから曜日や時間を設定してお願いする事も出来ます。
どれくらいの期間で売れるか分かりませんから、無理のないように受け入れる事も大切かもしれません。
販売価格の見直し
売却活動をはじめて少し時間が経ってくると、なかなか売れないと焦ったり、思ったより内覧に来る人が少ないかもと思ったりする事があるかもしれません。
もしかしたら、それは販売価格が相場よりも高いのかもしれません。
私たちは売り出した当初、相場という事をまったく考えていませんでした。
相場を把握していないどころか、相場を知る事が大切だという事さえ分かっていなかったのです。
少しでも高く売れればいいという事しか考えていなかったので、なかなか売れなかったのは当然だったかもしれません。
場合によっては、販売価格の見直しも必要です。
↪︎(マンション売却体験談)販売価格を見直したらすぐに売れた
ただし、ここで販売価格を見直す際に気をつけておきたい事があります。
これは見直しの時に限った話ではありませんが、販売価格からさらに値切られる場合もあるのです。
③売買契約
買手が決まったら、売買契約を結びます。
この時にもう一度内覧があるのかなと思っていましたが、私たちの時はありませんでした。
書面で設備などの確認をした上で締結となります。
私たちは、この時に手付金を受け取り、残額は引き渡し時に受け取りました。
ここから先に契約を破棄する場合には違約金がかかります。
④引き渡し
いよいよ引き渡しです。
売却額の残金を振り込んでもらい、部屋の鍵を渡します。
売却するマンションのローンが残っている場合は、この時に完済します。
住宅ローンを組んでいる金融機関に売却代金を振り込んでもらい、完済の確認をしてから抵当権の抹消手続きなどを行えば売却完了になります。
↪︎(マンション売却体験談)引き渡し当日の流れと住宅ローン完済
⑤確定申告
マンション売却の流れの中では一番最後にする事になるのが確定申告です。
しかし、売れてから調べればいいとは思わない方がいいです。
マンション売却により利益が出た場合は確定申告が必要です。
(損失が出た場合も特例を利用する場合は確定申告が必要です)
利益が出るかどうかは、単純に(購入した価格 ー 売却額)ではありません。
私たちの場合は、実際に購入した時の価格よりも低く売却しましたが、税金計算上は利益が出た事になり、所得税の支払いが必要になりました。
また、忘れていた頃にくる翌年の住民税も増えました。
確定申告はご自身でする事になりますので、是非あらかじめ詳細を確認しておいてください。
↪︎(体験談)マンション売却と税金 先に知っておきたい3つのポイント
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
↓買い替えをご検討の方は、ダブルローン を組んで新たにマンションを購入した事についても、よかったらご覧ください。
今のマンションの住宅ローンが残っていても、新たなローン(ダブルローン )は組めます。